RTX3090リグをAMD EPYCプラットフォームに換装する(組み立て編その1)

                        

  • RTX3090x4台をEPYCプラットフォームへ載せ替えたので記録していこうと思う.
  • パーツはほぼ予定通り先週末に揃ったのだが、リグフレームの組み替え、OSの調整、そもそも作業時間が取れないなどで全体を組み上げるのに時間がかかってしまった.
  • 本稿ではマザーボードへの組み付けと動作確認の一部についてのみ述べ、リグフレームと、性能確認のためのベンチマークについては次の回以降にまとめることにする.

 

パーツの調達について

  • 基本動作のためのパーツリストは前回に載せた通り. 気になったパーツについて少し述べたい.
  • CPU: AMD EPYC 7443P
    • 今回はじめてneweggを利用し、アメリカからの取り寄せとなった.
    • 初期不良だったときのめんどくささが頭をよぎってヒヤヒヤしたが、10日くらいで何の問題もなく届き、普通に動作した. 輸送はDHL.
    • パッケージ形態はバルク(Tray)しかないので仕方ないのだが、緩衝材で厳重に包んであるとはいえ、静電除去パック(よくあるグレーのやつ)に剥き出して放り込まれただけの状態で送られてきたので少々面食らった*1.
  • M/B: Supermicro H12SSL-i
    • myspecから購入. 過去にTyanなどのマザーボードを購入し、修理に出したこともあったが対応はスムーズだった. 悪くない印象.
    • 在庫がなかったようで取り寄せ*2となり、約2週間で届いた.
    • パーツリストを見るとリテールパッケージのようだが、白箱バルク*3と見紛うようなデザイン、パッケージ内容で、説明書やシール類は一切なく、緩衝材もまばらで、徹底的なコストダウンが図られていると感じた.
  • これ以外のパーツについては特に変わったところは無かったので省略する.

組み立て

  • 作業自体はThreadripperと全く同じであり、公式オンラインマニュアルを参考にすれば特に引っかかったりすることはないと思う.
  • ただ、Threadripperと違ってEPYCにはCPUをソケットに固定するためのトルクドライバが付属しないので、もっていない場合は買う必要がある.
    • 私もamazonからドライバ本体ビットを買ったが、PSU一台分くらいとなかなかに値が張る.
    • Supermicroの公式マニュアルおよびAMDによると目標トルクは14lbf・in(=158.2cN・m)とのこと.

             

  • 流れ
    1. マザーボードへCPUを取り付け
      • 公式マニュアルの通り.
      • 一つ付け加えるとすると、ネジごとに一度に目標トルクで締めるのではなく、たとえば40、100、158.2[cN・m]のようにネジをローテーションしながら段階的に均等に締め付けていく方が良いと思う*4.
    2. マザーボードへメモリを取り付け
      • 4本なのでD1、C1、G1、H2のスロットに挿した*5.
    3. CPUクーラーの取り付け
      • グリスはクーラーに付属のNT-H1を使い、塗り方はこれを参考にした.
      • ネジのスプリングが過剰に強力(硬い)ということはなく、それほど力強くクーラーを押さえつけなくても固定できた.
      • ファンの吐出方向が出荷状態だとなぜか下向き(PCIeスロット側)となっていたので、逆側に付け替えた.*6
      • メモリを追加する場合は、ファンを外す必要はあるがヒートシンクの取り外しは不要.
    4. NVMe SSDの取り付け
      • ネジ留めではなく、プラスチックのキャップによる固定.
        • 耐久性は未知数だが、取り付け/取り外ししやすい.
      • PCIe 4.0だったのでヒートシンクを追加
        • amazonこれを買ったのだが、SSDとの固定用の既設両面テープ(材質的に多分熱伝導シートではないと思う)が危なそうだったので、剥がしてこれに付け替えた.
        • この両面テープ、素材がヒートシンクに残るほど非常に粘着力が強く、無水エタノールで何度もこするようにふきとる必要があった.
    5. マザーボード固定台(まな板)への取り付け
      • リグフレームに直にマザーボードを置くのはまずいのでこれに固定.
      • ただ、H12SSL-iは大きさはATXなのだが、8pin電源コネクタ横のネジ穴の1つが普通のATXと異なっていたため、この場所の固定は諦めた.
  • 完成

               

  • 動作確認
    • とりあえずUbuntu 20.04 LTSを入れてみた

        

    • 動作は正常のよう.

        

    • 温度も概ね良好だが、SSDは温度センサーがないのか温度が読み取れず.

次の作業

  •  下記のように、リグフレームに組み込んで電源の配線やらを行うわけだが、これはリグフレームの構造とともに次回に述べる.

 

*1:まぁLGAなので折れ曲がる可能性があるピンがついているわけでもないので、特に気にすることではないのかもしれないが

*2:たぶん台湾から

*3:実際全面白地にSupermicroのロゴだけ

*4:数値は見ていないが私はもっと細かくきざんで締めた

*5:記号はマニュアルでの表記に基づく

*6:ちなみに冒頭のEPYCの画像はカメラを逆さまに構えて撮ったわけではなく、PCIeスロットが下側になるようにマザーボードを置いて(多くのPCケースはこのような上下関係になると思うが)撮ったときの正常な姿勢である.